2010年7月



 
◆「生ごみからエタノール」プラントの実用化に成功

 (7月23日付)

 
新日鉄エンジニアリングは西原商事(北九州市)の協力を得て、食品廃棄物からエタノールを製造するプラントの実用化に成功、自治体や大手飲食店などに向けての売り込みを本格的に始めた。
 2005年度から北九州市に実証プラントを設置して試験操業を続けてきた。食品廃棄物を破砕したうえで、発酵させ蒸留してエタノールを製造するシステムで、10トンの廃棄物から500リットルを抽出することできる。さらにエタノールをブレンドしてガソリンを製造、実際に車の燃料として走行実験も繰り返し、品質上も問題がないことがわかった。
 また同じ食品廃棄物を原料にエタノール以外にも、約700キログラムの回収油(A重油)を抽出することに成功した。
 試算では、人口30万~40万人の都市で廃棄される1日60トンの生ごみを処理するプラントの場合、価格は10億円~20億円程度になるという。日本では年間2,000万トンの食品廃棄物が出るが、その中に含まれる異物処理やエネルギー回収の難しさのために1,700万トンがリサイクルできずに焼却されている。同社は「CO2排出量の削減になるし、ごみ処理施設に併設することで効率的なシステムを構築できる」としている。
 
 
生ごみからエタノールを製造する実証プラント(北九州市)
 
 
 
◆ホンダ・伊東社長「主力はガソリンエンジン」

 (7月23日付)

 
ホンダの伊東孝紳社長(写真)は7月20日記者会見を開き、2012年にプラグイン・ハイブリッド車(PHV)と電気自動車(EV)を国内で発売すると発表した。また今後1年を目途に、小型車中心にIMAを搭載したHVモデルを複数投入、第1弾となるフィットHVを今秋発売するほか、次期シビックHVにはリチウムイオン電池を採用することも明らかにした。
 その一方、中期的には「ガソリンエンジンが主な動力源」とし、12年から順次、エンジン・トランスミッションのラインアップを刷新して、一層の燃費向上を図ると強調。EVがパワートレーンの中核を担うことは「いまの電池性能から見て、2020年はありえない」、「30年も難しい」、燃料電池車についても「難しいが、夢は追い続ける」などとし、既存インフラで走っている車と低炭素化を組み合わせた現実的な方向性として「大なり小なりHVシステムが広がってくる。PHVにも興味があり、重きを置いている」との見方を示し、EVはコミューター的な使い勝手が最も良いと持論を重ねた。
 さらに、国内市場の見通しとして「軽自動車をはじめとした小型車シェアがますます高まり、軽が半分くらいを占める可能性もある」と述べ、軽自動車事業を従来以上に強化する考えを披露した。
 

 
 
 
◆東京・千葉県館山市観光協会と連携し観光PR

 (7月21日付)

 
梅雨明けとともに、夏期の行楽シーズン本番へ…。ガソリン需要の増加につながる自動車旅行の活性化が期待されるが、東京都石油組合の杉並中野支部に所属する有志組合員の給油所では千葉県館山市観光協会と連携した観光PRに協力、パンフレット配布やポスター掲示などを行っている。
 東京湾アクアラインの料金割引実験(ETC利用の普通車3,000円が800円)や館山自動車道の全通(2007年7月)などにより、東京~館山間の移動時間・コストが大幅に削減されたことなどから、当該SSが観光パンフレットやクーポン券などを配布、週末や夏休みの旅行先としての館山観光をPR中だ。
 アピール方法に工夫を凝らす給油所も見られ、セールスルーム内を「ミニ観光案内所」のように飾り付けたり、ドライバーへの直接配布、館山観光実施後の洗車割引など、新たな需要の掘り起こしに努めている。
 
会話のきっかけにも活用している(さがみ商事・中野給油所の山口竜司マネジャー)
 
 
 
◆岩手・一関支部が平泉町と災害時支援協定

 (7月14日付)

 
岩手県石油組合一関支部は7月9日、岩手県平泉町と「災害時における応急対策用燃料の調達等に関する協定」を締結した。災害発生時や発生の恐れがある場合、同長の要請に応じて応急対策用の燃料、資機材の調達や要員確保について協力していくことになった。
 協定調印には高橋一男平泉町長、一関支部からは舞石太支部長、岩手県石油組合から野中範夫専務理事らが出席し、高橋町長と舞石支部長との間で、協定書を交わした。協定締結後、高橋町長は「これからなにもなければ一番よいが、万が一の時には支援をお願いしたい」と、災害時の協力体制の構築を要望した。
 舞石支部長は「地元のガソリンスタンドは少なくなってきている。地元を利用していただいて、なにかあった時に、すぐに対応できるスタンドを残していかなければいけないと思っている」と述べた。
 
災害協定書を交わす舞石支部長(右)と高橋町長 

 
 
 

◆長崎県五島に電気自動車100台導入
 (7月9日付)
 
長崎県の五島で、電気自動車(EV)が100台導入されたことを記念するイベントが2、3日の両日開催された。
 五島列島では「未来型ドライブを楽しむ観光の島」を目指して、積極的にEVを導入、急速充電器も設置するなど、普及に取り組んでいる。島内のEVは100台に達し、うち74台が観光客用のレンタカーとして使われている。将来的には充電設備の電源に太陽光や風力を利用、エネルギーの“地産地消”を目指している。
 両日のイベントには、中村法道県知事、益子修三菱自動車社長ら行政、メーカー関係者、住民計約130人が参加。益子社長は「今後も長崎県のEV普及推進プロジェクトに全面的に協力していきます」とあいさつ。約100台のEVが島内をパレードした。
 
島内をパレードするEV

  
 
 
◆クルマ系CO2排出削減研究の中間報告

 (7月2日付)

 
石油産業活性化センター(JPEC)は先ごろ、石油連盟と日本自動車工業会の共同研究として実施しているJATOP(Japan Auto-Oil Program)成果発表会を開催した。同プログラムは「CO2削減」「燃料多様化」「排出ガス低減」の課題解決に向け、最適な自動車・燃料技術の開発・研究に取り組んでいる。スタートから3年が経過し、その中間まとめを発表した。
 早稲田大学大学院の大聖泰弘教授による「自動車の環境・燃料に関する将来展望」をテーマにした基調講演では、CO2削減や日本の国際的な技術競争力の維持・強化に向けて、燃費向上や非化石燃料・エネルギーの利用、自動車利用の高度化の必要性を提言、日本の自動車メーカーの技術開発によって、「ガソリンエンジンはスーパークリーン化している。大気汚染への影響は少なくなっている。今後は燃費改善をどこまで進められるかが課題」と述べた。
 また、三菱の「i-MiEV」に代表される小型・超小型の電気自動車(EV)普及の可能性を示唆。「ここ10年が本格普及へのプロローグであり、正念場でもある」と、普及拡大への過渡期との認識を示した。
 小型EVは①低振動・低騒音・低速トルクが大きく運転しやすい②家庭での夜間電力の有効利用③燃料電池車を上回る高効率④韓国・中国メーカーが急追しているが、現状では我が国が技術的に先行している―などのメリット・特徴を説明。「長距離を狙ったバッテリーの積み過ぎはコストアップと重量増で悪循環のもと。当面は少人数の近距離走行に特化した軽や小型の移動手段として利用すべき」、「新たなカーライフスタイルやモビリティ手段を創出し、新たな街づくりにも貢献する」と、小型EVの将来性を示した。
 一方、中長期的な自動車CO2排出量の削減に向けて、①ハイブリッド化、車両軽量化などによる従来車の燃費改善技術②電気やバイオ、天然ガスといった非化石燃料・エネルギーの利用③ITS(高度道路交通システム)、TDM(交通需要マネジメント)、モーダルシフト(輸送手段の転換)など、自動車利用の改善・高度化―に取り組むことで、2020年に30~40%削減、50年には65~85%削減が可能であり、逆に行わなければ技術開発競争や国際競争から脱落していくと強調した。
 
 

 
 
 

◆JXエネルギー発足
 (7月2日付)
 
JX日鉱日石エネルギー発足式が7月1日、新本社講堂で開かれた。
 木村康社長は、「名実ともに石油のリーダーカンパニーが誕生、きょうからはJOMOでもENEOSでもなく、新生ENEOSとして船出する」と述べ、勢揃いした本社幹部に向けて、「統合シナジー効果800億円実現をステークホルダーとの約束」とし、「当事者意識、プロ意識、変革意識」の3つの意識のうえで、「エネルギーの未来を作る気概を持ち、議論を重ねて融和を図ってほしい」と求めた。
 
「新生ENEOS」として船出を誓った発足式