2010年5月


 

◆出光・EVの給油所での充電サービス実験の結果報告

(5月31日付)

 
 出光興産は5月26日、資源エネルギー庁の委託を受けて、「電気自動車(EV)普及環境整備実証事業」の一環として実施した給油所における充電サービス実証事業報告を発表した。EV向け充電サービスを中心としたビジネスモデルの実証を行うとともに、給油所に設置した太陽光発電によって得られたグリーン電力証書をカード会員向けに流通させる新ビジネスの検証を行った。この結果、太陽光発電や充電器の設置、システム構築などの初期投資が課題となり、短期的には設備投資費用の回収は困難とした。一方で、給油所へのEVのインフラ設置や正常な稼働は担保できると結論付けた。
 同社が新ビジネスとして今回取り上げたグリーン電力証書とは、太陽光発電なの自然エネルギーによって発電された省エネ・CO2排出削減という“エコ価値”を証書化し、消費者などにその価値を上乗せして販売。得られた利益を自然エネルギーの発電拡大などにつなげていくシステム。
 同社では、神奈川県横浜市とその周辺地区の5給油所でEV充電インフラネットワークを構築。給油所に設置した太陽光発電によるグリーン電力証書システムと、急速・普通充電器とETC(自動料金収受システム)設備を利用した認証・課金・決済サービスの実証を行った。
 実証の結果、インフラの設置や正常な稼働は担保できることがわかった。また、グリーン電力証書への支払い意欲も高いほか、ETC充電サービスについてもユーザーがその利便性を高く評価し、EVレンタカーの利用意向も強いことが明らかになった。ただ、初期投資額に対し、期待収益は約5割にとどまり、短期的な採算確保は困難であることが浮き彫りになった。
EV実証を行った神奈川県大和市のセルフつきみ野給油所 

 
 

 

◆国内初のバイオDME車走行実験

(5月26日付)

 
 DME自動車普及推進委員会は5月18日、横浜市の横浜液化ガスターミナル内でバイオマスから製造したヂオメチルエーテル(DME)を燃料に混合した国内初の自動車テスト走行を実施した。燃料には天然ガス由来のDMEに木質系バイオマス(ユーカリチップ)由来のDMEを約5%混合し、国交省モデル事業で施策した既存車の改造車両を使用しての走行となった。
 DME燃料は元来、黒煙を排出せず、NOx低減、PM除去のためディーゼルエンジン本体に特別な改造は不要であるなど、クリーン燃料として期待が高い。さらにバイオマスDMEは軽油に比べ、製造~走行までCO2排出量80%削減できるとの試算もある。コスト高さえ克服できれば100%バイオDMEでの走行も技術的には可能で、同委員会は2025年のDME自動車普及台数を5万台と見込んでいる。
 三木田裕彦委員長は「多様な原料から製造できるDMEは次世代燃料として有効。改正代エネ法を踏まえると、燃料として確たる地位を確保するにはバイオを取り入れることが不可欠」とし、DME自動車普及に向け「自治体のバイオマス生産取り組みが全国的に広がることがコストダウンには必要」と強調した。


横浜で実施された国内初のバイオDME車走行実験 

 
 

 

◆九州支部・宮崎へ口蹄疫の救援資金

(5月26日付)

 
 全石連九州支部はこのほど、宮崎県で被害が拡大している家畜伝染病・口蹄疫の救援資金を贈ることを決めた。「口蹄疫によって宮崎県は極めて大きな被害を出し、地域経済は大打撃を受けている。少しでも被害防止、救済に役立ててもらえれば」と、急きょ寄付を決めた。九州支部から各県石油組合に送金し、各県から県経済連を通じて宮崎県経済連に贈る予定。

 

 

 

◆減り続ける給油所犯罪

 (5月19日付)

 
 警察庁がこのほど公表した2009年の犯罪情勢統計によると、給油所(プロパンガススタンドを一部含む)で発生した刑法犯の認知件数は前年比で約2割減の4,856件となった。過去10年間で見ると、00~04年までの5年間は1万件を超えていたが、昨年は5,000件の大台を下回り半減に至った。だが、「特定の給油所に被害が集中しやすい」との指摘や、警察の認知には至らず自己処理している事例も予想されることなどから、引き続き狙われにくい職場環境づくりが問われている。
 給油所での犯罪認知件数は03年をピークに減少傾向をたどっている。犯罪の種類・手法別では、窃盗が全体の6割弱、詐欺が2割強を占めているが、03年と比べると窃盗比率は1割弱減った。ただ、窃盗の内訳を見ると、侵入窃盗が28%の812件(03年は53%)に減少する一方、非侵入窃盗が68%の1,953件(同45%)と、侵入窃盗に対しては一定の対策成果が出ている様子がうかがえるが、セルフ荒らしなど非侵入窃盗の比率が相対的には高まった格好となっており、一層の対策強化が期待される。
 他方、詐欺は01年のピーク比で3分の1に減ったが、いまだ1,083件が確認された。また、強盗23件(前年は36件)、暴行82件(93件)、傷害50件(79件)、脅迫3件(6件)、恐喝8件(9件)など凶悪犯・粗暴犯は減少したが、これらは身体や精神面への人的被害が大きい。さらに、乗り物盗が104件(85件)と再び増加、特にオートバイ盗は33件に倍増するなど、改めて注意する必要性が高まっている。
 

 
 

 

◆伊藤忠エネクスがつくば市と低炭素交通社会の共同プロジェクト

 (5月17日付)

 
 伊藤忠エネクスは5月12日に茨城県つくば市内で、伊藤忠商事やつくば市との共同実証プロジェクト“Green Crossover Project”(クリーンエネルギーを活用した低炭素交通社会システムの共同実証プロジェクト)の開始セレモニーを行った。同プロジェクトは、カーシェア事業の運用やEV用リチウムイオン電池を再利用する事業モデル構築を目的とし、5月17日から運用を開始する予定だ。
 参加企業は伊藤忠商事の関連会社を含めファミリーマートなど15社が参加しており、伊藤忠エネクスはつくば市内の給油所店舗を提供し、太陽光発電・定置用蓄電池・急速充電器を設置し、運用ノウハウを構築の役割を担う。
 同社給油所には定置用途として2次利用が可能か検証する。EV用と同型の米国EnerDel社製の車載リチウムイオン電池を設置し、太陽光発電システムによって発電された電力を蓄電し、急速充電器を通じEVに供給するのみではなく、自動的に店舗側で使用可能となっている。
 また一般参加者に提供するカーシェアリングのサービスではEVに改造したマツダ社のデミオを3台提供。同時に1枚のカードで利用時の本人認証や利用料金徴収を行い、新規カードビジネス構築や事業モデル構築を目指す。
 同時にリチウムイオン電池の劣化状態や使用状況の遠隔監視、データ収集だけでなく、カーシェア管理システム、急速充電器管理システム、店舗エネルギー管理システムをデータ管理センターにて一括して集中管理するエネルギー統合管理システムを開発し、様々なエネルギーの動きや流れをデータとして収集・分析することでエネルギーの最適有効利用につなげる。
 協力企業代表としてあいさつに立った同社の土井章代表取締役兼専務執行役員は「我々は化石燃料を取り扱っており、業界の中では危機感を持っている人たちが多いのも事実だが、社会の交通インフラとして車は必要であり、同時に車を持たない人たちにもレンタカーなどのサービス提供などといった次世代給油所のあり方を検証したい」と同プロジェクトにかける意気込みを強調した。

リチウムイオン電池の2次利用も目指す(右から2人目が土井専務)
 
 

 

◆ガソリン世帯支出格差5.7倍に拡大
(5月10日付)
 

 総務省家計調査によると、2009年度の県庁所在地・政令指定都市別の1世帯当たりガソリン支出最多は山口市の9万3,111円、最少は大阪市の1万6,391円となった。主要都市部間においても最大格差は前年度の5.46倍から09年度は5.68倍へと拡大し、一般財源化されたガソリン税の負担格差も同程度の格差が生じているものと判断できる。
 09年度の全国平均ガソリン購入単価は120.4円で、前年度に記録した138.1円と比較して17.7円(12.8%)下落した。購入数量は年527.5㍑で、前年度比では3.9%減少した。単価の下落と数量の減少によって支出金額は15.7%減って6万3,527円となった。
 都市別では、ほぼ同じ顔ぶれの上位5都市と下位5都市の支出比較で、上位が前年比17.8%減と節約指向が鮮明に出ているのに対して、下位は7.3%減にとどまった。ただし山口市と大阪市の比較では、山口市は14.9%減の一方で、大阪市は18.2%減となり、最大格差は拡大した。

 

 

 
 

◆衆院で「給油所過疎」の問題提起

 (5月3日付)

 

 「国が非化石燃料化の政策を進めるあまり、地方給油所が廃業を余儀なくされ、山間地で暮らす人たちの生活をも脅かすことになっている」
 民主党の笠原多見子議員(比例東海・岐阜)は4月27日の衆議院の地球温暖化対策を議論する委員会でこう指摘し、国は温暖化対策の一方で、廃業を迫られる給油所や不便を強いられる消費者のため「新たな施策を考えるべき」と求めた。
 同議員は「国が電気自動車の普及を図るのはいいが、非化石燃料化をうたうばかりに廃止・不便を迫られる業種や人々がいる」「地域に根ざして頑張ってきた給油所が次々に閉鎖し、全国で給油所ゼロの町村も5ヵ所あるという。山間地域で暮らす人たちはガソリンや灯油を買うために何十キロも離れた町まで、ガソリンを使って買いに行っている。住民の負担増とともに省エネにも逆行する」と問題点を指摘した。
 これに対し松下忠洋経産副大臣は、「給油所減少で国民生活に大変な支障が生じている。当省は給油所ネットワークが維持され、今後とも地域に根ざして供給を担っていけるよう地下タンク入れ換えや環境対応を支援していく」と答えた。