2008年11月


東京都と都石油組合・石油連盟が災害時協定
(11月28日付)
 

 東京都、石油連盟、東京都石油組合は11月26日、都庁で「大規模災害時における石油燃料の安定供給に関する協定」の締結式を開き、山口一久副知事、天坊昭彦石連会長、都石油組合の飯田金廣理事長、酒井英彦政策部会長、中村實経営高度化・地域貢献委員長らが出席して協定書を交わした。自治体が石油供給団体との包括的な協定を結ぶのは全国初で、こうした取り組みの輪を広げていく重要性を相互確認した。
 協定は、都内の防災上重要な施設では停電に備えて非常用発電機が設置されており、施設によっては給油所とも個別に燃料供給協定を結んでいるが、燃料備蓄や給油所備蓄には限界があり、また、災害時には緊急通行車両以外は通行禁止となることから、優先供給先の特定、施設情報や輸送路情報の共有、緊急通行証の交付などに関する包括的な協定を締結し、供給体制を確立することにしたもの。


協定書を取り交わした飯田理事長(左)、山口副知事(中)、天坊会長(右)




税負担軽減求め決起大会開催
(11月21日付)
 

 全石連・油政連の地域代表150人が、満員の会場で県名プラカード別に整然と陣取る中、ガソリン税などの軽減を求める総決起大会は開幕した。
 主催者あいさつの後、来賓として自民党の笹川堯総務会長が「道路を作る約束でいただいた税。我々の願いも一緒であり、この決起大会の主旨は必ずその通りになる」、櫻田義孝経済産業部会長が「皆さんの決意を重く受け止める。主張は全く正しい。なにも得るものがなかったなどということは間違ってもない」と表明した。
 学識者の立場で杉山雅洋早稲田大教授は「納税者と国家の信頼関係は民主主義国家の根元。自動車関係諸税は、実質は道路サービス利用料。他のサービスに使うなら元に戻すのは当然」、ユーザー代表としてフリーアナウンサーの宮田佳代子さんが「クルマに関する税が多すぎるうえ、30年も暫定で余計に課税している事実に怒りを感じる。皆さんとともに、おかしい、不公平だ、という声を出し続ける」、テリー伊藤さんの「一般財源化はとんでもないこと。負担軽減を勝ち取ろう」とのメッセージが流れ、ともに決起大会の趣旨に賛同を表した。
 会場には実に139人の与党国会議員が参集、全員が「ともに頑張る」ことを宣言し、主催者とともに「道路特定財源の一般財源化に伴い課税根拠を失う燃料関係諸税・自動車関係諸税の廃止などにより納税者負担を軽減すべき」の主旨の決議を採択した。


グランドプリンスホテル赤坂の決起大会会場を埋め尽くした石油・自動車
各団体
関係者。右側の県別プラカードを掲げるのが石油販売業界




北海道で灯油懇談会
(11月14日付)
 

 北海道経産局と道は共同で11月9日、北海道地方灯油懇談会ではまず、国際石油情勢、灯油需給動向などについて説明。9月末の灯油在庫は量としては過去5年で最少にあるものの、在庫日数は43日と過去5年の平均並みにあり、安定供給に支障がないことが強調された。
 意見交換では、消費者から「原油に対する灯油の下がり方がかなり不足している」など価格に対する不満が相次いだほか、新仕切り方式についての消費者説明の不足が指摘された。
 これらに対し、金丸勇一新日本石油北海道支店長は「小売価格について元売が言うべき立場にないが、夏場の高い灯油在庫が値下げに若干影響したかもしれない。しかし、それは短期的な状況であり、本来は原油と連動する。また、新仕切り方式は透明で公正なマーケットの構築を目指して始めた。当社の場合、選択肢により変化幅は異なるため、混乱を招かぬよう変化幅は公表はしていない」と説明。
 小売代表の北海道石油組合の高濵一義副理事長は「残った夏の高い在庫は冬の安い灯油に薄めて入れるが、その分は我々が損をすることになる。これから灯油価格は下がる局面にあり、販売業者は大変」と今後の苦境を予想した。また、供給者の立場として北海道生協連の伊藤貞男専務は「原油価格は下落しているのだから、元売は原油処理を抑えるのではなく、小売と協力してさらなる値下げに努力すべき」と主張した。


今冬灯油情勢について消費者と意見交換した




2中学生が給油所で職場体験
(11月14日付)
 

 広島県広島市の西本石油に職場体験学習のための中学生2人が訪れて給油所の仕事を体験した。生徒を派遣した広島市立翠町中学校では「10年以上前から職場体験を実施しているが、給油所での体験は初めてのケース。生徒がなにかをつかんでくれればと体験学習に送り出した」と話している。
 給油所職場体験をしたのは坂田裕樹君と石井雅也君で、所員の指導に沿って来店した車の窓拭きなどを体験したが「給油所の仕事の中身が少し理解できた」と話す。生徒を受け入れた西本代表は「短い期間なので十分なことはできなかったが、給油所の仕事を少しでもわかってもらえたのでは」とし、「全石連が作成したガソリンスタンド職場体験学習マニュアルを活用しながら石油、給油所の基本的なことも説明した」と話す。




高額プリカに疑問の声
(11月12日付)
 

 近畿圏の石油販売業者から高額プリペイドカード販売のあり方を問う声が増えている。プリペイドカード販売金額が3万円、5万円と高額になり、その値引き率とともに、「不特定多数のユーザーに売り掛けというリスクを負わせることにならないか」というモラルが問題視されている。給油所におけるいわゆる「プリカ金額」は年を追うごとに高額になってきた。千円単位の販売設定額から万円単位に跳ね上がり、3万円や5万円という高額設定も確認されている。
 高額化を懸念する業者は「これでは1リットルいくらという商売をする者にとって、不特定多数の売り掛けをつくるのと同じ。業界環境が厳しい今、もしもプリカを売った業者が破産すればそれだけで業界としての信用を失う」と訴える。
 別業者も「セルフ給油所を運営するうえでプリペイドカードは重要な決済手段。いまさらこれをなくすことはできない。しかし、社会問題化するような消費者の損失を与えるような事態になりかねないほど、プリカに頼る傾向がある」という。
 こうした懸念について関係者は「法律的に問題のない範囲内でしかも販促の手段ではなく、消費者の利便性を考えたプリペイドカードの販売姿勢を業界全体で普及させていくことも重要なのではないか」と提案している。




セルフ増加スピードダウン
(11月10日付)
 

 石油情報センターがまとめた2008年6月末現在のセルフ給油所出店状況によると、3月末比で199ヵ所増の7,222ヵ所になった。08年4~6月の新規セルフは前年同期比で38ヵ所減の225ヵ所。2年連続で前年数を下回り、増加の勢いが減速していることが浮き彫りになった。撤退数も26ヵ所にのぼる一方、08年3月末現在の登録給油所数4万4,057ヵ所に占めるセルフ数は16.4%となった。セルフは7,463ヵ所にまで増加したが、最近の過当競争の激化による給油所の淘汰・廃業が顕著になる中で、セルフの撤退数も241ヵ所にのぼった。
 県別に見ると、愛知の497ヵ所が最も多く、次いで千葉の390ヵ所、埼玉の383ヵ所、北海道の374ヵ所、神奈川の362ヵ所の順となっており、関東首都圏地域での出店数が目立っている。最も少ないのは沖縄県の45ヵ所。また、今回唯一、山形だけが3月末に比べ1ヵ所減の80ヵ所に減少するなど、これまでの右肩上がりの増加に陰りが見える。セルフ率では神奈川の26.3%が最も高く、次いで埼玉の24.7%、香川県の24.6%の順となった。




軽油価格がガソリンと同値に
(11月5日付)
 

 ついにガソリンと軽油の価格が同値という看板が登場した。都内にある商社系給油所のガソリン価格が11月3日時点で129円、それに対し軽油も同値の129円となった。油種別の税金はガソリン53.8円/リットルと軽油32.1円。通常小売価格の差となって現れる格差21.7円がなくなった背景には、コストではなく先物市場などを反映して毎週卸価格が決まる新方式の導入や先物、現物市場でのガソリン価格の独歩安、さらにガソリン中心の価格競争激化などがあり「ガソリン価格=軽油価格」の出現は、混乱を極めた10月以降の市況状況を象徴的に現す事例となった。
 7月に史上最高値を記録した原油価格はその後ゆるやかに下落に転じ、10月に入って金融危機の影響もあって下げ幅が加速した。10月から新日本石油と出光興産が導入した新仕切り方式の指標となる先物、現物も原油と歩調を併せるように下落、月初と月末を比較すると先物は29.58円、現物も28.49円もの記録的な急落となっている。
 一方の軽油は、ガソリンと比べると緩やかに推移し、現物市場の月初と月末の価格差は16.54円となっている。このため、ガソリン先物価格と軽油現物価格との比較では、中旬の時点で価格の逆転現象が起こり、月末にはガソリンが5円以上も安価となる事態が生じた。現物価格同士で比較しても値差は約8円となり、ガソリン・軽油の価格差が急激に縮小されたことが見て取れる。
 全国的に給油所の主力商品であるガソリン中心の価格競争激化が生じている現在、原油、先物、現物市場の価格推移状況や給油所での仕入れ、在庫の状況によっては、給油所でのガソリンと軽油の小売価格が逆転する可能性が現実味を帯びてきた。


ついに同値が出現したガソリンと軽油の小売価格