2001年05月~06月



総務省消防庁、「危険物の規制に関する規則」を改正。
洗車機設置基準廃止など実現。 (6月27日更新)

 消防庁はこのほど「危険物の規制に関する規則」の改正を行い、これまで給油所の敷地内に洗車機を設置する場合に「道路境界線から二メートル以上(防火壁が設置されている場合を除く)」としていた基準を廃止した。また、危険物施設の建材に関する運用指針を改正し、これまでキャノピー(屋根)建材としては認めていなかったガラスを一定の条件を前提に認めた。
 石油連盟のSS技術部会が中心となって規制緩和を要請していたもので、道路境界線からの距離規制がなくなったことにより、給油所敷地の有効利用が図れるほか、洗車機を設置するためにわざわざ防火壁を設置するなどのコスト増を抑制することも可能になった。
 また、キャノピーにガラスを使用することが可能となったが、この場合、(1)ガラスの取り付け部が耐震性を有していること(2)熱で容易に破損しないよう網入りガラスなどを使用していること(3)飛散防止フィルムなどの阻止措置を講じること、などを条件として求めている。
 給油所の広いキャノピーの下は昼間でも照明をしなければならなかったが、ガラスを使用することが可能となったことで太陽光の利用ができるようになった。



改正地方税法施行。輸入軽油の課税時期、
「譲渡後課税」から「保税地域からの引取時課税」に変更。 (6月27日更新)

 6月1日から、改正地方税法が施行された。軽油引取税不納入事案の温床ともなってきた輸入軽油の課税時期が、従来の「譲渡後課税」方式から「保税地域からの引取時課税」方式に改正され、納付期限は「譲渡のあった日の翌月末日」から「保税地域から軽油の引取りを行う時まで」に変更された。さらにこうした改正を受けて、悪質業者が、未課税のまま国内に持ち込むことができる輸入元売業者として参入しようとする可能性もあるため、これに対処する目的で元売業者の資格要件の強化も実施した。これまでは、石油業法の届出から3年を経過しない者に関しては見込み輸入量(5万キロリットル以上)を申告すればよかったが、今後は過去1年間の輸入量実績が5万キロリットル以上であることが資格要件となる。
 またこれに先立って、47都道府県の税務部門担当者で構成する全国地方税務協議会は5月31日に改正地方税法の運用にかかわる全国統一の指針を示し、各都道府県間の協力体制の強化を打ちした。具体的には、「仮特約業者の指定・取消事務」「特約業者の指定・取消事務」「課税済み軽油に係る課税免除承認審査事務」「軽油の輸入業者に対する課税事務」の4項目について全国統一のガイドラインを示し、軽油引取税の脱税・不納入事案に対する実務レベルでの対応強化を図るとともに、「都道府県間の協力体制」についても再確認し連携強化を打ち出した。



13年3月期元売決算、経常利益が6年ぶり1000億円の大台。
業績低迷の長いトンネルを抜ける。 (6月27日更新)

 13年3月期の元売決算(日石三菱、出光、コスモ、ジャパンエナジー、九石の5社)は、5社合計(単体)の経常利益が6年ぶりに1000億円の大台に乗るなど、平成7年以降の業績低迷の長いトンネルを抜ける状況となった。特に昨年度下半期からの業績回復が目覚しく、今期以降も強気の収支見通しを掲げる元売が多い。
 単独ベースの売上高は、コスモ、出光、ジャパンエナジー、九石の4社がこの10年間で最高となるなど、原油高を反映して5社合計でも平成2年度に並ぶ8兆9300億円に膨らんだ。営業活動の果実である営業利益は前期比で3・3倍の1346億円となり、5年ぶりの大台突破となった。
 経常利益でも出光が過去10年間で最高を記録するなど、5社合計で6年ぶりに大台に乗る1026億円となった。税引き後の純利益は326億円の赤字だった前期から、642億円改善されて317億円の黒字転換を果たした。ただ、約9兆円の売り上げに対する利益率は0・35%に過ぎず、「事業規模に見合った収益力にはほど遠い」という水準にある。
 在庫評価益を差し引いた正味の営業利益は下半期が上半期の五・四倍に達し、利益の大半が下半期に捻出されている。「原油が昨年末に下落したことで、タイムラグがプラス効果に転じた」こととともに、寒波による灯油粗利の大幅改善、ガソリンなど「仕切価格の神通力が多少、強くなった」点が寄与したことも間違いない。



埼玉県、給油所へのベーパーリターン(可燃性蒸気回収)装置の設置義務付けへ。
(6月27日更新)

 タンクローリーから給油所への荷卸しの際、ガソリンベーパー(可燃性蒸気)がストーブなどに引火する火災事故が増えており、行政では給油所や油槽所などに対して保安管理の指導を行っている。埼玉県では「炭化水素指導指針」に沿って、タンクローリーから給油所への荷卸しに関してベーパーリターン装置を設置するよう指導しているが、6月から7月にかけて開かれる県議会で同指針の内容を条例化する方針を打ち出している。
 県独自のディーゼル車規制案などを盛り込んだ「埼玉県環境保全条例(仮称)」の一環として提案されるもので、条例化されると、指導方法は、指導、勧告、命令と段階をつけ、拘束力を強めるため罰則が設けられる。施行は来年4月1日の予定。防災、大気汚染への関心の高まりから、同様の動きが全国的に波及する可能性もある。



エッソ、モービル、東燃ゼネラルの燃料ブランド
『SYNERGY(シナジー)』に統一。 (6月27日更新)

 エクソンモービルマーケティングは、7月1日から国内のエッソ、モービル、東燃ゼネ石の3系列で販売しているレギュラーガソリン、ハイオク、軽油の商品ブランド名を『SYNERGY(シナジー)』の名称に統一する。新ブランド名はエクソンモービルが世界的に導入を進めているもので日本は5ヵ国目となるが、米国、欧州などはまだ導入していないため主要マーケットでは日本が初めてとなる。また、日本は世界で唯一、三系列が競合するブランド管理の複雑な市場なだけに、新ブランドの導入でグループ内の一体感が向上するかどうかに、注目が集まりそうだ。
 シナジーブランドの導入は昨年夏、オーストラリアを皮切りに香港、シンガポール、ニュージーランドと続き、今後は日本、マレーシア、アルゼンチンのほか欧州の一部でも導入。今年中に11ヵ国に達する予定となっている。油種名は各国独自に決めており、日本ではハイオクをシナジーF-1、レギュラーをシナジーレギュラー、軽油をシナジーディーゼルと表示する。また、3油種とも製品のスぺックは変更しない。



警視庁、石油ブローカー幹部を逮捕。滞納(脱税)額は100億円以上。
各自治体も早期差し押さえ実施へ。 (6月27日更新)

 警視庁は12日、大量の軽油を輸入・販売しながら、軽油引取税を故意に滞納していたとして、地方税法違反の疑いで、都内に本社を置く石油ブローカー幹部らを逮捕し、同社事務所などを家宅捜索した。滞納(脱税)額は100億円以上に上るものと見られている。警視庁では今後、東京都主税局と連携して実態の全容解明に乗り出す。また、同じ12日に東京都と宮崎県、鹿児島県は、輸入軽油にかかわる軽油引取税を故意に滞納していたとして石油ブローカーを摘発し、同社が輸入した軽油を差し押さえた。警視庁が逮捕に踏み切った石油ブローカーとは直接つながりはないが、輸入軽油を脱税の大きな武器としていた悪質な業者にとっては、一様に大きな打撃となることは間違いない。その意味では、地方税法改正を受けて全国地方税務協議会が打ち出した連携強化の方針と、これに先立って各自治体の税務担当者間で確認した「滞納にかかわる早期差し押さえ」の手法が早くも成果をあげたことになり、警視庁の動きと合わせて、「今後、こうした動きが全国的に徹底されれば、不納入事案はかなり押さえ込める」との声が高まっている。



エクソンモービル、サハリンⅠ天然ガス・パイプライン・プロジェクトの
2008年商業化見通しを発表。 (6月27日更新)

 エクソンモービルは、同社が参加するサハリンⅠ天然ガス・パイプライン・プロジェクトについて、2008年には商業化し天然ガスを日本国内に供給できるとの見通しを明らかにした。実現すれば海外と直接結ぶパイプラインが初めて完成することになり、国内のエネルギー供給体制を変化させる可能性が高い。
 サハリンに現在あるのはオドプト、チャイウォ、アルクトンダギの3つのガス田で、4850億立方メートルという豊富な埋蔵量がある。開発はオぺレーターとなる米国のエクソンネフテガスと、石油公団、石油資源開発、伊藤忠商事、丸紅、インドネシア石油などでつくる日本のソデコが30%ずつ出資して設立したサハリンⅠコンソーシアムが行い、日本への天然ガスのパイプライン供給を計画している。
 パイプラインの設置計画はエクソンジャパンパイプライン社と、石油資源開発、伊藤忠商事、丸紅で作る日本サハリンパイプライン調査企画とが進めており、新潟に至る「日本海ルート」を1999年に、東京に至る「太平洋ルート」を2000年に調査し、最終的には2002年春に全調査日程を終える予定。商業化のめどが確定した段階で、パイプラインを第1ステップで北海道に、第2ステップで本州に延長する考え。



石油ブローカー、輸入軽油の通関目的に特約資格悪用。
連携強化で対抗する税務当局。 (6月27日更新)

 自治体が脱税(意図的滞納)目的と判断して輸入軽油を差し押さえる事例が相次いでいるが、こうした中、輸入元となっている石油ブローカーが通関手続きのためだけに特約業者に名義貸しなどを持ちかけるケースが、最近、急増している。地方税法改正によって、保税地内でペーパーカンパニーに転売し徴税を免れる「輸入パターン」が通用しなくなったことから、輸入軽油でも未課税のまま国内に持ち込める特約業者の資格を悪用しようというもので、「数百万円払う」と話を持ちかけられた特約業者からの情報もある。税務担当者筋では「数百万円もらっても、あとになって数十倍の納税義務を押し付けられる。経営が苦しいのはわかるが、秩序を取り戻せるかどうかいまが正念場。こうした勧誘には絶対に応じないでほしい」として特約業者の注意喚起を促すとともに、「自治体としてもここを正念場と捉え、監視の手を緩めることなく連携を強化して、輸入 軽油による脱税を一掃したい」と強調している。



北海道、脱税の疑いで特約業者が輸入した軽油約3000キロリットルを差し押さえ、特約資格解除。 (6月27日更新)

 北海道は13日、旭川市内の石油販売業者が輸入し、神戸港で通関した軽油約3000キロリットルを、脱税目的で輸入した疑いが強いとして差し押さえ、業者の特約業者指定を解除した。この措置に対し業者は、正規の軽油引取税額約9660万円を翌14日に道に納付したため、道は差し押さえを解除した。ただし、特約業者の指定解除はそのまま続いている。差し押さえを受けたのは旭川市内の特約業者。同市内に給油所1ヵ所を運営する小規模業者で、これまで軽油の輸入実績がなかったにもかかわらず、韓国から買い付けた軽油を神戸港に陸揚げし通関手続きをした。道は事前にこの動きを察知して調査したところ、この特約業者は札幌市内の石油販売業者に経営権を譲渡していることが判明。また、譲渡先の経営陣には本州での軽油巨額脱税事件に関与したと見られる人物がいたため、道は今回の輸入軽油は脱税目的であると判断したもの。



平成12年度元売別販売実績 (5月31日更新)

平成12年度元売別販売実績         (単位:千キロリットル、%)
* ガソリン 前年比 灯油 前年比 軽油 前年比 SS関連計 前年比 燃料油計 前年比
日石三菱 13,343 100.4 6,708 100.6 9,210 94.7 29,261 98.6 52,076 98.1
コスモ
石油
6,604 102.4 4,009 103.2 5,227 97.8 15,840 101.0 30,533 97.5
(日石三菱コスモ) 19,947 101.0 10,717 101.5 14,437 95.8 45,101 99.4 82,609 97.9
出光興産 8,432 100.3 4,185 99.8 6,700 95.7 19,317 98.5 36,573 96.8
昭和
シェル
7,473 105.2 3,436 107.0 4,847 101.0 15,756 104.2 23,810 101.9
ジャパンエナジー 5,984 99.2 2,976 104.0 4,711 95.4 13,671 98.9 23,085 96.1
(JSイニシヤティブ) 13,457 102.4 6,412 105.6 9,558 98.1 29,427 101.7 46,895 98.9
モービル
石油
5,374 100.8 2,524 96.9 4,131 95.1 12,029 97.9 18,085 96.5
エッソ
石油
3,888

100.3

1,228 101.1 1,731 92.6 6,847 98.4 11,452 93.9
東燃ゼネラル石油 2,881 99.3 982 99.7 1,145 92.1 5,008 97.6 8,381 104.8
(エクソンモービル) 12,143 100.3 4,734 98.5 7,007 93.9 23,884 98.0 37,918 97.4
キグナス石油 1,286 101.3 621 96.3 679 94.7 2,586 98.3 3,749 100.2
(EMGK) 13,429 100.4 5,355 98.2 7,686 94.0 26,470 98.0 41,667 97.6
太陽石油 1,355 100.8 996 98.2 920 96.4 3,271 98.8 6,571 97.1
九州石油 1,051 109.1 834 115.0 925 98.7 2,810 107.0 4,918 105.0
その他 131 148.9 355 85.7 306 102.0 792 98.8 6,032 99.2
合計 57,803 101.3 28,853 101.5 40,533 96.1 127,189 99.6 225,265 98.0




12年度元売別販売実績、外資系4社が低迷 (5月31日更新)

 平成12年度の元売別販売実績によると、給油所関連油種では昭和シェル石油と九州石油が好調だった半面、エクソンモービル系4社(エッソ石油、モービル石油、東燃ゼネラル石油、キグナス石油)の低迷が目立った。
 ガソリンの元売別ではジャパンエナジーと東燃ゼネラル石油の2社がマイナスとなり、昭和シェル石油と九州石油が5%以上の販売増を記録した。コスモ石油も好調だったが、日石三菱、出光興産など他の各社は微増に止まった。昭和シェル石油のガソリンシェアは0.5%上昇して12.9%となり、その増販量36 万キロリットルは、全体の年度増販分74万キロリットルの半分に相当する。
 給油所関連の3油種(ガソリン、灯油、軽油)合計では、販売増は昭和シェル石油(74万キロリットル増)、九州石油(18万キロリットル増)、コスモ石油(16万キロリットル増)の3社のみで、他はマイナスとなった。燃料油合計では、東燃ゼネラル石油が最大の販売増を記録しているが、これはナフサの販売増によるもので、エクソンモービルの販路再構築の影響によるものと見られる。



天然ガスエコ・ステーション、ついに100ヵ所 (5月31日更新)

 天然ガス(CNG)エコ・ステーションが、ついに100ヵ所を突破した。  エコ・ステーション推進協会(関正夫理事長)がまとめたところによると、今年四月までの天然ガス・ステーション数は全国で99ヵ所だったが、5月15日にオープンした東京高圧運営の袖ヶ浦エコ・ステーション(単独型・千葉県)とニチメンエネルギー運営の東大和エコ・ステーション(コスモSS併設・東京都)で100ヵ所を超えた。  天然ガス・ステーション増加の背景には、都市ガス各社が天然ガス充填所設置に積極的に取り組んでいることがあげられる。ステーション設置者の大部分は大手、中堅の都市ガス事業者で、他業界の事業者が設置する場合も都市ガス各社が技術・資金両面の支援を行っているケースが多い。  全国の天然ガス自動車は現在約7000台。今年度はディーゼル車から天然ガス自動車をはじめとする低公害自動車への転換が見込まれており、天然ガス・ステーションの設置にも拍車がかかりそうだ。(写真はニチメンエネルギー東大和エコ・ステーション)